2013年 06月 30日
若い画家の忠田愛さんのブログ「ふりつもる線」で <銀座かわうそ画廊オープン記念展のお知らせ>があり、 2013-06-14付けで 「銀座は、アカデミー過ぎ、あまり行きませんが、開催中、行って見ます。」と記したら、 愛さんから、 2013-06-14 付けで、 「mohariza12さん ありがとうございます! 私は小品を二点(・・・実際は3点だった)なのですが、今の若手作家のいろいろな作品が並んでいると思います。 画廊のある奥野ビルはとてもレトロな建物です。」と返事があった。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 昨日(6月29日)午後、銀座の奥野ビルの 銀座かわうそ画廊(artkawauso@gmail.com) オープン記念展 「山本冬彦のまなざし」を観て来た。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 愛さんの作品は、 「お地蔵」(麻布、陶土、岩絵具、他、0号<17.9cm×13.9cm>)・・・子猫の絵 「花冠」(麻布、陶土、岩絵具、SM号<22.7cm×15.8cm>)・・・女の子の絵 「Y氏のりんご」(麻布、陶土、岩絵具、SM号)・・・赤みが少し残っているが、りんごの表面の表皮の輝きを白さで表現した(?)と思われる まん丸いりんご で、小ぶりの作品だったが、 麻布と云う荒いキャンバスの味を生かし、陶土、岩絵具等の絵具の材質を生かした 自然の割れ目等含んだ抽象的な空間を背景にし、個々のものの存在を浮かせたもの、と思った。 ものの本質とは、輪郭を取って、きつい色や鮮やかな色等で表出させるだけで無く、 ぼんやりとした空間の中で、自然に浮き立つのが、心に響くものかも知れない・・・、と思った。 「山本冬彦のまなざし」の参加作家は、愛さん以外にも、 岩渕華林・大熊弘樹・小川香織・河端通浩・木村浩之・佐藤明日香・ 眞田勇・塩澤清志・平良志季・立木美江・谷口朋栄・田村星都・ 辻蔵人・堤康将・富元秀俊・藤木佑里恵・藤原泰佑・ 門田奈々・山口裕子・山田彩加・若林真耶(50音順・敬称略) と云う新人ばかりらしいが、 個々の作品を観ていくと、デッサン力があり、発想の着眼点が斬新のものがあり、中々面白く、 (めったに展覧会には行かないが・・・、) 内外の有名作家・大家の絵よりも、このような新人作家の方が、その発想力、斬新さで、 年老いて膠着しがちな歳取った頭(:脳髄)に刺激を与え、新たな発想を築かせるように思った。 展覧会場に本人もいて、解説もしてくれたが「ファスナーの絵(?)・・・作品名は忘れた」は、 0.25㎜のペンで根気よく、ファスナーの外(・・・衣服等)に1㎜くらいの大きさの歯車等が描かれ、内側には、1㎜くらいの 山本冬彦氏(アートソムリエと云うらしい)が解説してくれたが、沖縄の作家らしい「海の中の浮遊感を表現している絵」 (下図の作品では無かったが・・・)も、 マウリッツ・エッシャーのだまし絵(錯視絵)の技法を、 電信柱の電線のようなもので表現し、 所々に魚等を描き、海中にいるような、まるで宇宙に漂うのような空間感(:異空間)を表現していた。 どれも作品としては、小作品で、大きな絵になると、その技法を駆使するのは、中々大変と思ったが、 根気があれば、大作も可能か?と思った。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 奥野ビルは、 <画廊のある、とてもレトロな建物>で、 ビルとしてはかなり古く、昔のエレベーターがあり、昔のマンションのようであり、 真ん中に二つの階段があり、<何故?>と感じ、それでも、EXP.J(:エキスパンション・ジョイント) で、建物が構造的に完全に分かれているだけで無い建物で、個々の構造を観ても、構造の柱梁等も力学的に合理的で面白い建物で、 昔の住居の個室を若い画廊に貸すなりしているビルのようだった。 「山本冬彦のまなざし」の後、各画廊を覗いて観たが、 若い女性の個展 (:植物の花を水彩画で描いていた。デッサン力はあった。但し、まだ観察力が不十分だった。一応、指摘しておいた。)、 グループ展らしく、りんごの木彫や木目を生かした椅子のようなものを飾ってあったり、 偶々居た若い(?・・・40代前半?)の写真やシルクスクリーンなど、かなり面白かった。 一応、住所、名前を記して来たので、今後、案内状等が来ると思われるので、 時間が空いていたら、行ってみようとは 思っている。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ しかし、そのビルの画廊等を観ていて、一番の衝撃は、 偶々入った ある画廊(Gallery 邨<むら>) で、 アンドリュー・ワイエス(:Andrew Wyeth,1917年7月12日 - 2009年1月16日)、20世紀のアメリカの画家)の絵 を観れたことだった。 素晴らしいことに尽きた。 生の絵は観たことがあったか?は覚えて無いが、 特に川の水の流れを描いた絵(http://www.andrewwyeth.com/images.html#8の一番右端の絵)は、たぶん5~6透視点画法を使い、様々な角度から(それも、その技法を感じさせないで、自然に、)奥行きを出し、水の流れそのものを表現尽くし、水の流れの底や水際にある たぶん 4億年以上前の岩石の層をさり気なく表現し、 地球の太古からの自然の悠久さと、現在の自然現象(?)との接触を 流れと云う軸で絵画の表現技法で表現した 特出した傑作だった。 それを観た後は、新人の絵が飾られている 画廊を観る気がしなく、また、芸術鑑賞(・・・3時間位いたのか?)疲れていて、そのビルから出た。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 若者の街の渋谷・原宿とは違い、大人の文化としてのアカデミーがまだ残っている中に、 奥野ビルのような画廊があり、新人の作品を展示しているのは、良いことで、 (:芸術<特に新人の芸術は・・・>と云うものは、所謂 <パトロン>(:金を持っている大人の人間:今回で云えば、実質的な画廊主:立川美江)がいなければ、成り立たず、その質を理解し、世の中へ、公開し、展示することが、文化を広めることのように思った・・・。 ) たまには、億劫がらず、銀座も行ってみるものか? と思った。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 芸術に興味のある方は、ぜひ 観に行かれることをお勧めします。 特に、<Gallery 邨>のアンドリュー・ワイエスの本物の絵は、そう滅多に観られないと思います。
by mohariza12
| 2013-06-30 18:41
| 芸術
|
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