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2012年 06月 02日

北イタリアの地震とプレートテクトニクス(追記あり)

北イタリアに5月20日から29日にかけ、地震が起こった。
この件について、プレートテクトニクスに基づき、解説を記しておきます。

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(まず地震の記事から)

米地質調査所(USGS)によると、イタリア北部で20日午前4時(日本時間同11時)ごろ、ボローニャの北約35キロの カンポサント付近(フィナーレ・エミーリア)を震源とするマグニチュード(M)6.0の地震があった。
ANSA通信によると、フェラーラ県内の3カ所で建物が崩れ、工場作業員計4人 が死亡したほか、100歳超の女性ら2人がショック死した。
 負傷者は約50人。在ミラノ日本総領事館によると、ボローニャなど震源地の周辺には在留日本人が居住しているが、現時点で被害の情報は入っていないという。
 震源はカンポサントの東北東約4キロ。震源の深さは約5キロ。(震源の深さ6.3キロの報道も・・・)
北イタリアの地震とプレートテクトニクス(追記あり)_e0267429_16594253.jpg


揺れはミラノやベネチアでも感じられた。歴史的建造物にも被害が及び、ミランドラの大聖堂の屋根が崩落した。
北イタリアの地震とプレートテクトニクス(追記あり)_e0267429_1733170.jpg

イタリア地質火山研究所によると、余震は20回以上起きているという。

地中海ではユーラシアプレートとアフリカプレートとが衝突しているため、イタリアが地震の頻発地帯になっている。
中部ラクイラでは2009年、M6.3の地震で300人以上が死亡した。
北イタリアの地震とプレートテクトニクス(追記あり)_e0267429_1773935.jpg


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本震の発生からおよそ一時間後に5.1 MWの余震が、さらに本震から11時間後に震源のある地点の同じ領域で5.8 MWの第二の余震が発生した。
5月29日にも同じ領域で5.8 Mwの余震が発生した。

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5月29日午前9時にマグニチュード5.8の余震が発生した。
震源の深さははミランドラの下5から10キロと見積もられている。

北イタリアの地震とプレートテクトニクス(追記あり)_e0267429_1713816.jpg


現地時間で12時56分から13時1分の間に一連のマグニチュード5以上の3つの強い余震が発生している。
9時の地震と13時の地震の衝撃は北イタリアを経て、アオスタ州 と隣国のオーストリアでも観測されている。
この地震のメカニズムは20日に発生したものと同じである。
この地震により、30日までに新たに17人が死亡し、約350人が負傷した。

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<地中海ではユーラシアプレートとアフリカプレートとが衝突しているため、イタリアが地震の頻発地帯になっている>が、南部は地震が多いが、北部はそう多くなかった、と記憶している。

それは、私の地図に描かれているように、断層が南部に多いことに関係しています。

北イタリアの地震とプレートテクトニクス(追記あり)_e0267429_16462834.jpg

北イタリアの地震とプレートテクトニクス(追記あり)_e0267429_16464661.jpg


そして、下図に、イタリアにおける、北部のユーラシアプレートと南部アフリカプレートの断面図を添付します。

北イタリアの地震とプレートテクトニクス(追記あり)_e0267429_16381927.jpg


上図のように、簡単に模式化できるほど、ヨーロッパの地殻とアフリカの地殻のプレートの絡みは単純では無いようですが、イタリア半島が乗っているアフリカプレートがヨーロッパに向かい、押し上げているのは、
プレートテクトニクス上の常識です。

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<120606注記:南ヨーロッパのプレート自身は、アフリカプレートから独立し、その下深く、アフリカプレートが沈み込んでいる、とするのが正確と云えます。
日本列島の東側に、北アメリカプレートが沈み込んでいる、と同じ理屈と思って頂いてよい と思います。
>

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<141217注記: 「120606注記」は誤解を招きそうなので、追加の註記を記します。

南ヨーロッパのプレート自身は、シルル紀中期(約4億2500万年前)に 一旦アフリカプレートから独立し、中・北ヨーロッパ大陸 と云える<バルティカ大陸>の方向へ移動しますが、
デボン紀後期(約3億8000万年前)に、南ヨーロッパのプレートに属していた現在のスペイン半島南フランス等はほぼ合体します。

但し、イタリアギリシア等の陸塊は、完全には合体できず、<バルティカ大陸>間に海嶺が出来たり、アフリカ大陸等の北進で 海溝が出来たりし、

ジュラ紀前期(約1億9500万年前)以降の大西洋が出来たパンゲア(超)大陸の大分裂によるアフリカ大陸等の移動で 複雑な動きをしたようです。

そして、白亜紀後期(約9400万年前)にアフリカ大陸が南極大陸から分かれ、その間に海嶺が出来、アフリカ大陸のプレートが北進し、イタリア等が含まれる南ヨーロッパのプレートに沈み込み、

且つ、南ヨーロッパのプレートは、シベリア等を含む<ユーラシアプレート>の一部の中・北ヨーロッパ大陸と云える元<バルティカ大陸>にぶつかり、
南ヨーロッパのプレートは沈み込み、現在のアルプス山脈が出来たと云えます。
(註:今だ高くなっている)
アルプス山脈が出来た時期は、北・中央・南等 何回かあるようですが、アフリカプレート等の動きが関係し、ユーラシアプレートへの南ヨーロッパのプレートの沈み込み等は、複雑なようです。

日本列島のプレートの東側(:関東以北)に、約1500万年前から北方向から北アメリカプレートが沈み込み、
太平洋プレートが(北アメリカプレートを含む)日本列島に深く沈み込んでいるんでいる、のと ある種似た<小さなプレート>(:マイクロ プレート) の運命にある、と云ってよい と思ってます。

・・・今後、アフリカプレートがどのような動きをするか?で、イタリア半島等には、どの様な地震が起こるか?は、予想不可能なことです。

日本列島の場合は、太平洋プレートの他にフィリピン海プレートの沈み込みも絡み、いつ大地震が起こるか?は、中々予想できません。

(・・・海洋性プレートの沈み込みと地震の発生の原理は、まだ研究中で、完璧な事象としての仕組みは、解明された訳ではありません。)

その為、私は<原発の稼働には、反対>です・・・。>



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これを以前の(消滅した)ブログ「mohariza07メモ」に掲載したプレートテクトニクスの図から解説します。

<141217 追記 : 最新の6億年前からの大陸移動のプレートテクトニクスの図は、現段階でも訂正中で、その図が完成した段階で、このブログ記事にも、その最新の図を掲載するかも知れません。>



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色々な経緯がありますが、南ヨーロッパはアフリカプレートに属し、アフリカプレートが北上して行ったのを、下図で大づかみに掴んでください。

4億2500万年前(シルル紀中期)、南フランスを含む南ヨーロッパは、アフリカ北部に属し、ヨーロッパ北部とは、離れていました。
北イタリアの地震とプレートテクトニクス(追記あり)_e0267429_17254987.jpg

その後、南ヨーロッパを含むアフリカは、デボン紀初期の4億年前に、ヨーロッパ北部に接近します。
北イタリアの地震とプレートテクトニクス(追記あり)_e0267429_17292820.jpg


ペルム紀前期(2億8000万年前)には、より接近し、南フランスは、北部フランス等と合体しますが、まだ、南ヨーロッパは合体してませんでした。
北イタリアの地震とプレートテクトニクス(追記あり)_e0267429_17352449.jpg


白亜紀前期(1億3000年前)には、スペイン半島は、北とほぼ合体しますが、
まだ、イタリア、ギリシア等南ヨーロッパの部分は、北のヨーロッパとは、完全合体してませんでした。
北イタリアの地震とプレートテクトニクス(追記あり)_e0267429_17405229.jpg


イタリアが北ヨーロッパと合体し、大きくアルプス山脈が形成するのは、2400~2000万年前(新第三紀中新世前期)になります。
北イタリアの地震とプレートテクトニクス(追記あり)_e0267429_17581184.jpg


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このように、イタリアは、アフリカの北進と共に、地球史上は最近、ヨーロッパと合体したと云ってよく、北イタリアも、依然アフリカが北進しているようなので、
地震がいつ 起こっても不思議ではありません。

by mohariza12 | 2012-06-02 18:03 | プレートテクトニクス


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